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2008年6月16日 (月)

かりゆしぬ宴

沖縄民謡の世界へ

沖縄を一人旅していた時に出会った人は数知れず。札幌に住む一人の女性とも知り合いになった。

彼女は添乗員の仕事をしているそうだが、月一回ほどの割合で訪沖して、沖縄民謡を習っているということだった。既婚者なので、贅沢な身である。

その彼女から、沖縄民謡のライブの案内が送られて来た。東京で開催されるライブだ。彼女の師である大城美佐子さんが出演するという。

大城さんは沖縄民謡界のトップスターであり、数多くの映画にも出演されている方。那覇でたまたま入った民謡酒場が大城さんのお店であったことから、翌日本島ドライブに誘ってもらったことがあった。当時はそんな大物だとは露知らず、美ら海水族館や焼き物工場などに案内してもらった。

夫も興味を示し、ライブ『かりゆしぬ宴』へ申し込んだ。日時は5月17日(土)19時開演。そう、一ヶ月近く前の話。記事にしようと思いながら、ついついこんなに遅くなってしまった。書きたいことが多くて、追いつかない。

 

唄者勢ぞろい

出演者は大城美佐子さん、安里勇さん、具志堅京子さん、後冨底周二さん、川門正彦さん、寿、名護良一さん。石垣島から来られた唄者の方が多い。最南端の波照間島からの方もいらした。みな、実力の持ち主。

Photo_6  

日本人の心に奥底に響く歌声。懐かしい三線(さんしん)の音色。灼熱の太陽の光が降り注ぐ沖縄の空気感がそこにはあった。

観客の多くは、何度も沖縄に足を運んだことのある沖縄フリークが多いように見受けられた。顔見知りの主演者が紹介されるたびに大きな拍手がわき、手拍子も慣れたもの。まるで、沖縄のどこかのホールで開催されているかのような雰囲気だ。

心地良い八重山民謡の調べが響く。民謡はほとんどがウチナー口(沖縄の言葉)なため、歌詞は全くと言っていいほど、わからない。曲名で想像するしかない。それでも人間の心、豊かな自然の本来の美しさを唄っているのだということが、ヒシヒシと伝わって来る。作者の思いが込められている珠玉の曲の数々。観客の心を、八重山の海の水が浸していく。

最後は、やはりカチャーシーでシメとなった。カチャーシーとは「かき混ぜる」という意味で、祝いごとの最後に行われる自由なスタイルで舞う踊り。お祝いでなくとも、沖縄の宴会の最後に老若男女、みんなで賑やかに踊るそうだ。

私も、今までに何度か、カチャーシーを踊らされる場に居合わせた。最初は恥ずかしくてできなかったが、勧められたり、周りにも初めて踊る人がいたことなどから、やらないことの方が恥ずかしく思えてきて、今では楽しんでできるようになった。手首と全身をクネクネさせる動きは、やり慣れていない者にとっては正直難しい。が、「正式な形といった形はない。好きなように体を動かせばいいんだよ」と教えてくれたおばぁの優しい一言に、テレの皮がむけた。

八重山の波の音をゆりかごにして、かりゆしの夜が更けていった。

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コメント

このテンプレート今の貴女にピッタリですね
 それに色々のミンサー織りも沢山買ってきたり、当選したり、沖縄通には頭が下がります。
でも余りはまり込んで沖縄に移住なんて事にならないように
お願いします。私はハイヤーを呼んでリハビリに行っています。もう少しです 

投稿: ななみ | 2008年6月16日 (月) 14時52分

修学旅行で沖縄に行った時にいろんな、曲をきいたんです☆
最後はみんなで、踊ったりしてぇ♪
楽しかったなぁ♪
写真みて思い出しちゃった☆

投稿: みかん | 2008年6月16日 (月) 16時50分

難しい言葉がいっぱいですね、さすが沖縄!南国世界という感じです。やはりぴろろさんと同じように、魔力のような魅力にがんじがらめにされてしまった(いい意味ですよw)かのような人たちが、たくさんいらっしゃるようですね(・∀・)イイ!!

沖縄民謡はやはり、三線の音色に独自の節回しが印象的です。僕のように知らないものが聞いても、沖縄の曲だとすぐにわかるのはとても素晴らしい特徴ですよね。

投稿: Laylack | 2008年6月16日 (月) 20時42分

沖縄民謡って、あんまり身近じゃないけど
三線といえば、BEGINの「三線の花」を
思い出しちゃいます。
BEGINが好きなもんで..(^^;

きっと民謡の調べは、沖縄の空と海の青さに
ぴったりなんだろうなぁ..

投稿: ケセラセラ | 2008年6月16日 (月) 22時13分

沖縄にもあるんですね。というより奄美にもあるんですよ、沖縄文化圏だから。ちょうど旧盆の頃です。昼は村落の中心にある土俵で相撲大会、夜は隣接する広場に焚火をたき、その周りで太鼓の音に合わせて島唄をうたいながら夜通し踊る、豊年祭と呼ばれるお祭りが。踊りのパートは十五夜踊りと言います。唄ごとに簡単な振り付けがあり、唄の間は踊りの輪がキープされます。ところが、数曲ごとに唄と唄の間で、太鼓が乱れ打ちとなり指笛が響き出します。すると、それまでの輪は崩れ、皆が思い思いの位置で、自由に踊り出します。踊り狂うといった感じ。一種のトランス状態になるんでしょうねぇ。もう十五夜踊りに帰らなくなって30年弱。今でもあの踊りは続いているのかしらん。

投稿: あかり | 2008年6月16日 (月) 23時45分

テンプレート、褒めてくださり、ありがとうございます。ミンサー織の中で、青が一番好きです。
結婚する時、主人と新居をどこに構えるかを考えました。その一つに実は沖縄があったのですよ。沖縄で民宿を経営するという夢のような話も。でも私たち二人に民宿経営は無理だという結論に達し(すぐでした)、沖縄移住は諦めました。二人とも暑いのが苦手なので、それを考えたら南国に住むのは無理ですよね。しかも虫が嫌いですから、本土より大きいサイズの虫が山ほど生息している沖縄は…。
知人も少ないから職探しも大変そう。失業率の高い沖縄で生活するのは、コネがないとうまくいかないことも知っていますので、それは今後もやはりないですね。たまに行くから、いいのでしょう。住めばいろいろ見えてきてしまいますから。
リハビリ、順調にいくといいです。お大事になさってください。

投稿: ななみさんへ | 2008年6月17日 (火) 07時50分

みかんさんも修学旅行は沖縄だったんですか?高校の時?
私も高校の修学旅行は沖縄でした。九州&沖縄で7泊8日。最後の2泊が沖縄でした。
ホテルでの夕食時、沖縄舞踊を見ました。黄色い紅型の着物を着た女性の踊りを、沖縄料理をいただきながら、鑑賞したのを覚えています。今ならまだしも、17歳でその良さはわからなかったですね。『てぃんさぐぬ花』は勉強させられ、国語のテストにまで出ました。
ちょっと寂しい夜は、楽しかった思い出の詰まったアルバムをめくってみるのも一案ですね。笑顔が戻ってきます

投稿: みかんさんへ | 2008年6月17日 (火) 08時00分

「沖縄病」・「離島病」のような言葉を日本の他の地では聞きませんね。「東京病」とか「北海道病」とかあるんでしょうか?
魅力に取り付かれてしまうと、ホント厄介です。寝ても冷めても沖縄です。雑誌、テレビ等で“沖縄”の文字を見ただけで、果てには“沖”の文字だけでも反応してしまうのです。胸が苦しくなって…。そう、この感情は恋わずらいに似ているかもしれませんね  そして、そんな人たちが、全国にたっくさんいるのです 
三線の音色だけで沖縄を想像できるのってすごいことですよね。あの音色が耳に届いた途端に、体中の力が抜けていくのですから、ものすごい魔力だと敬服せずにはいらせません。私なんか、まるでパブロフの犬。条件反射でゆるゆるになってしまいます。特徴的な伝統文化・芸能は、いつまでも廃れずに継承されていってほしいと思います。

投稿: Laylackさんへ | 2008年6月17日 (火) 14時22分

私も民謡はあまり馴染みがなかったのですが、沖縄に通うようになり、興味を持つようになりました。沖縄民謡だけですが…。三線の音色がやけに心地良くて。三味線には興味がないのに、おかしいですよね。
沖縄を好きになり、そこにあるものすべてを素晴らしく感じてしまっているのだと思いますが、おっしゃるように沖縄の空気感に三線はピッタリマッチしています。三線が聞こえて来ない沖縄の夜は物足りないですし、沖縄で聴く三線が一番味わい深いとも思います。三線の音色と波音のハーモニーは、私にとって、究極の癒しです。
BIGIN、うちにもCDが何枚かあります。披露宴でも流した『島人ぬ宝』が好きです。

投稿: ケセラセラさんへ | 2008年6月17日 (火) 19時07分

奄美にもあるんですね、豊年祭。カチャーシーもあるとは、沖縄文化圏なんですね。ルーツをたどると面白い発見がありそうですね。
十五夜踊り、コメントからも熱気が伝わってきます。熱い夜が奄美にもあるんですね。
沖縄で祭りに出くわしたことは残念ながらありません。3年前の夏、主人と訪れた時は、国際通りでエイサーが見られてようなんですが、到着時には終了した直後でした。
あかりちゃんはあまりご実家へはお帰りにならないんですか?遠いですものね。
奄美・沖縄に限らず、伝統的な各地のお祭りはずっと続いていってほしいなぁと思います。

投稿: あかりちゃんへ | 2008年6月17日 (火) 19時59分

エイサーの踊り沖縄本島に行った時見ました
若い男の子達の元気一杯の踊りで興奮しました。私はフオークダンスをやっていたので、台湾の小数民族のおどりとか、中国では太極拳とか、すぐ仲間に入れてもらい(誘ってくれる)体験してきました。それが今とても楽しい思い出です。沖縄のあの踊りも体験したかったな~と思っています。おわら風の盆おどりも夢中でおどってきました。

投稿: ななみ | 2008年6月19日 (木) 19時34分

私は沖縄でエイサーを見たことがありません。琉球村でちょっと見かけたくらいなんです。映像では何回も見ているんですけれど。私が勤務していた大学の卒業式で、一度だけ式終了直後に沖縄県出身の学生によるエイサーの披露がありました。今も、あれは何だったのだろうかと不思議でなりません。真夏の夜、太鼓の音を響かせながら練り歩く元気なエイサーを一度は見てみたいですね。
ななみさんは、いろいろなところへ旅行されていらっしゃるんですね。アジア以外も行かれているんでしょうか?どんな国にも、踊りや歌、音楽はあるものです。国境を越えて、仲間作りには欠かせませんね。素敵な思い出、いつまでも大切になさってください。

投稿: ななみさんへ | 2008年6月19日 (木) 21時04分

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