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2008年5月 4日 (日)

八重山旅行一日目 ~南の島のロマンを求めて~

石垣島へいざ出発

旅行の一週間前から沖縄の週間天気をチェックし、曇りマークの並びに憂いでいた。年間で、一番いい季節だと言われている4月に、沖縄を訪れることができるのを幸運だと思っていたのだが…。

荷物の準備は前日まで続いた。準備がノロノロになってしまったのは、100%ウキウキ気分で出かけられないからかもしれない。それでも、せっかく与えられた機会に、涙は自宅に置いて行こうと決めた。

羽田空港は、ゴールデンウィーク前だからか、驚くほど空いていた。チェックインも荷物預け入れもセキュリティチェックも至ってスムーズ。

慌てたのは、手荷物の中にあったペットボトル。未開封のものだが、機内に持ち込めるのかどうか。それとスプレー缶の扱い。一時期、液体は持ち込めないなど、荷物の扱いが厳しくなったことがあった。国際線では、航空会社によっても規定が異なる。一年ぶりの搭乗で、困惑してしまった。

結局、ペットボトルは未開封なので係員の目視で難なく通過、ライターはタバコを吸う目的なら一人一個までなら機内持ち込み可だという。スプレー缶は、預け入れ荷物ならOKということで、慌てた割には没収された物もなく、搭乗口へ向かうことができた。

石垣島へは直行便ではなく、那覇空港乗継となる。国内旅行では、初めての乗り継ぎだ。預けた荷物も那覇ではなく、石垣島でピックアップとなる。国際線同様、便利だ。

Photo 搭乗した那覇行きの飛行機も、石垣行きの飛行機も、心配したほどに揺れることなく、目的地へ着陸した。亜熱帯地方独特の湿気を帯びたムッとする熱気が、体全体を包むあの瞬間がたまらない。タラップを降りながら、八重山へ来た喜びをかみ締めていた。

 

女性の愛がこもったミンサー織

最初に向かったのは、石垣市内にある【みんさー工芸館】である。私たち夫婦は、ミンサー織には特別の思いがある。今回の旅行中、ミンサー織のお土産を何か買うつもりでいた。

ミンサー織をご存知ない方のために、ちょっとここでご紹介したいと思う。

ンサー織は、素朴で明るい八重山の心をそのまま機(はた)に託して、母から娘へ、さらに孫へと350年もの昔から伝えられてきました。ミンサーの特徴である「いつ(五ツ)の世(四ツ)までも末永く」という想いがこめられており女性が自らの手で織って愛する男性に贈ったといういわれがあります。
…みんさー工芸館のしおりより一部抜粋

女性から男性へ、愛の印として贈ったというミンサー織。五ツと四ツの模様には、南の島のロマンが詰まっているのだ。

Photo Photo_2

 

 

 

 

 

 

みんさー工芸館では、コースター、テーブルクロスの機織り体験ができる。私はコースター作り体験を予約しておいたので、早速指導員の方に手ほどきを受けながら、四ツの模様が入ったコースターを織らせてもらった。赤や緑やピンクなど色とりどりのコースターの中から好きな色が選べるようになっていたので、青を選んだ。

機織りは沖縄本島の恩納村で数年前に体験していたが、手が覚えているはずもなく、難しい印象を持った。初めのうちは上手に作ろうという思いから時間もかかったが、慣れてくればスイスイと手が動いた。ちょっと織り過ぎたよいうで、「少し、ほどきましょうね」と指導員の方に言われてしまった。

Photo_3二階は展示室になっていて、ミンサー織を学べる。NHK紅白歌合戦で着用した夏川りみさんの衣裳も展示されていた。テレビで見ていて、「あー、ミンサー織の衣裳だぁ!」と叫んだのを覚えている。

黒糖とさんぴん茶のおもてなしを受け、休憩している間に、コースターが機織り機から外され、終了証と共に手元へ。自分で織ったミンサー織の愛おしいことといったらない。夫が、「額縁に入れて飾ろう」と言い、労を労ってくれた。

ホテルへチェックインを済ませ、市場周辺を散策。沖縄らしい光景が広がる市場は好きな場所の一つ。初日から大量に買い物はできないので、この界隈での買い物は、旅行後半、石垣島に戻って来た時の楽しみにとっておくことに。旅行中必要な夫の帽子だけを買い、夕食場所へ。

マイナーなガイドブックに載っていた、地元民が通う食堂【もともりや】へ。沖縄へ来たのだから、毎日でも沖縄料理を食べたい。何度も沖縄に足を運んでいる夫も私も、沖縄料理のほとんどが食べられることを知っている。フーちゃんぷる(お麩と野菜の炒め物)、焼きそば、揚げ出しジーマミー豆腐(ピーナッツから作るお豆腐)、ツナサラダを注文した。

 

花あかり

夫と出会ったばかりのころ、夏川りみさんと古謝美佐子さんのリサイタルを観に行ったことがある。翌日にパソコンのホームページビルダーの試験を控えていたにもかかわらず、大興奮の夜だった。真っ直ぐに帰宅することもできずに、思わず夫に、その時の興奮をメールしたほど。とにかく、大ファンなのだ。

せっかくなので、石垣島出身の夏川りみさんのお母様が経営されているスナックに立ち寄ってみることにした。スナックというところがどういったところなのかわからず、お店の前まで来て迷う。夫も入ったことがないという。本当だろうか。疑問に思うも、思い切ってドアを押した。

イメージしていた店内より相当広い。夏川りみさんのサイン入りポスターが、数枚、壁に貼られていた。

すぐ下の妹さんが『童神』を熱唱。声はさすがにりみさんに似ている。お母様もキレイな方で、カウンターに座っていた私たちをもてなしてくれた。夫はビール、私はサワー。慣れない場所だけあって、あまり落ち着けず、お母様の見送りを受け、30分ほどでホテルへ。

石垣島到着が夕方近くだったにもかかわらず、沖縄にいることを十分実感できた八重山旅行初日。この先も、のんびりではなく、盛りだくさんな旅になるであろうことは、容易に想像がついてしまった。

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コメント

ぴろろさん、こんにちは。

国内線でも乗り継ぎあるのですね、それでもピックアップが最終目的地なら意外と楽なんでしょう。
僕はぴろろさんと反対で、乾いた場所から名古屋の中部国際空港に降り立ったときのあの湿度の高い熱気に、すぐさまカナダに戻りたいと思ったものでした^^;

ミンサー織り、全く存じておりませんで恥ずかしい限りです。ただの幾何学模様に見えるなかにこんな思いがたくされているとは。これから目にするときに、今までとは違った見方ができるのが嬉しいです。
夏川りみさんのお母さんのお店までと、丸一日盛りだくさんですね。

投稿: Laylack | 2008年5月 4日 (日) 16時48分

こんばんは。

到着地の空気(温度、湿度、香り…)を感じる、旅の始まりの瞬間ですね。

投稿: ぞう | 2008年5月 4日 (日) 23時28分

うわー、羨ましい。おっと、忘れてた。おかえりなさい!楽しめましたか?
実は私、去年は八重山諸島に行くつもりでした。友人が倒れたりで、結局実現できなかったんですけどね。そして、なぜか、地方な上に九州沖縄文化圏でもない岡山で沖縄出身の人や沖縄で就職した人と知り合いになり、なんとなく沖縄ブームです。沖縄の独特のゆるい時間感覚と豚肉などのおいしい食べ物を満喫されましたか?続きのレポも楽しみにしています!

投稿: onomot | 2008年5月 5日 (月) 01時42分

お邪魔します。

未婚女性が自分の体にミンサーを刻んでしまったら、どうなるのでしょう。

http://tattoorimi.exblog.jp/

投稿: ぽっぽおま | 2008年5月 5日 (月) 15時40分

日本各地の離島へは、その都道府県の主な空港以外は直行便はほとんどないと思われます。沖縄で言えば日本最西端である与那国島。羽田空港からの直行便はなく、那覇から、もしくは石垣からの便しかありません。石垣島への直行便は羽田からでもありますが。初めての乗継でした。

海外から帰って来ると、日本のムッとするまとわりつくような湿気を帯びた空気は嫌ですね。ヨーロッパからの帰国時、いつもそう思います。常夏のハワイから帰って来る時ですらそうですから、日本は湿度の高い暮らし心地の悪い国です。日本だけでなく、アジア全体がそういった傾向にありますね。

沖縄に興味がある方でも、ミンサー織のことをご存知ない方はいらっしゃいます。八重山の織物なので、八重山好きなら知っている方は俄然多くはなりますが…。ミンサー織のいわれ、ロマンチックだなぁと思いませんか。男性からではなく、女性からといったところが沖縄らしいです。

投稿: Laylackさんへ | 2008年5月 5日 (月) 22時46分

ぞうさん、こんばんは。
タラップを降りる瞬間、またはスーツケースやキャリアケースを引きながら空港を出る瞬間、その土地の空気に初めて触れます。肌で住んでいる街との違い、日本との違いを感じ、遠くに来たのだという実感がわきます。
アジアは強いにおいも感じます。沖縄は全身の血がざわざわと鳴り、体中が喜んでいるような感覚に陥ります。あの一瞬は、たまりませんね。

投稿: ぞうさんへ | 2008年5月 5日 (月) 22時54分

onomotさん、こんばんは。ただいまです。
八重山、楽しかったです。まあまあ天候に恵まれたので、良かったです。沖縄の島旅の善し悪しは、天候次第のところがありますものね。
沖縄、特に八重山の良さを体中に感じてきました。お料理もずっと沖縄料理でしたし、沖縄民謡にも触れました。国内に、こんな場所があるなんて…と不思議な気持ちになります。
私が通っていた大学には沖縄出身の学生が大勢いましたが、ずっと連絡を取り合っているほどの仲良しはいません。今思うと、残念でなりませんが、沖縄を旅していて出会った友人や伴侶(!)はいます。好きな沖縄について語り合える仲間がいるということはいいことですね。大切にしてください。そして、いつか、絶対八重山に行ってください。素晴らしいところですから。もしかしたら、人生観が変わってしまうかもしれませんよ。

投稿: onomotさんへ | 2008年5月 5日 (月) 23時05分

はじめまして。
ミンサー織は未婚女性が未婚男性へ贈るものです。結構、旅先で知り合った旅仲間から、「私は彼にミンサー織のネクタイをあげた」とかいった話を耳にします。石垣島に来れば、ミンサー織の様々な商品を目にします。体に刻まなくても(何か痛そう…)、元々は織物ですから、ミンサー織の何かを差し上げればいいと思いますよ。

投稿: ぽっぽおまさんへ | 2008年5月 5日 (月) 23時12分

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